ウォーハンマー:エイジ・オヴ・シグマー陣営紹介 – スケイヴン

〈定命の諸領域〉では、いつも自分の2メートル弱の範囲内には鼠がいると言われているほど、その数は多い。彼らは、我々の世界の鼠とは違い、邪悪な武器を身に纏った、せむし姿で立ち歩く人型の生物である。スケイヴンは、常に甲高い声で鳴き、ガチガチと齧る音を立て、陰謀を企てながら諸領域の薄暗い隅で身を潜めている。

“荒廃の都”の悪臭漂う亜領域にて、彼らは、羨望の眼差しで諸領域を眺めながら、何世紀にも渡って歪んだ現実界の端を齧り続け、骨折り働いている。また、彼らの思考を支配し自滅を強いる、黒き飢えによって、彼らは苛まれているのだ。

〈大いなる角戴きし鼠〉を渾沌の神へと昇進させるべく彼らが企てた、壮大な陰謀が成功を納め、誰もが驚愕した。“荒廃の都”から繋がる、齧り穴と呼ばれる崩壊した”門”を通り、八つの領域へと流れ出たスケイヴンらは、今や勢いを増している。彼らは、このような陰険な入り口から、自身の周りの土地を崩壊させ、そこに立ち入る者の命を危険に晒すほどの汚染された荒地へと退廃させるのだ。この足場を利用し、狂気の野望、歪み石(ワープストーン)を用いた武器、そして大氏族の力をもって、スケイヴンは覇権を取ろうと企んでいる。

概要

スケイヴン一匹一匹が、これまで生きてきた同種族の中で、我こそが紛れもなく最も偉大であると確信している。また、他のスケイヴンたちが、自身に正当な報酬を獲得させまいと陰謀を企てていると信じているのだ。この異常なまでのパラノイアが、彼らを臆病者へ、そして根っからの裏切り者へと構築させる——己が勝利を掴むためならば、上官、従僕、そして仲間たちを裏切ることもいとわないほどに。また、彼らは、正面から争いに立ち向かうよりも、背後からナイフを相手に突き刺すほうがよっぽど好ましいと考える生き物である。

古代の、そして飢えの神である〈大いなる角戴きし鼠〉の崇拝によって結束されしスケイヴン社会は、競合する同族たちの放漫な連合体で成り立っている。また、常に同種族間で競合しているものの、それぞれが考える陰謀や計画は、物事を成し遂げるのに十分なほど密接に一致することがある。強力な支配者たちの集う十三匹評議会が、その社会の頂点に居座っている。その支配者たちは、スケイヴンの中の致命的な有力者から引き抜かれた者たちだ。そしてその下に居座るスケイヴンらは——その鼠人たちが主張するには——長氏族の中でも誠実な者たちである。彼らは、自身の神に直結する、妖術を操るグレイシーアの預言者たちなのだ。

ほとんどのスケイヴンらは、格下の氏族に仕えて働く卑しい者たちだ。彼らは、欲望と野望に満ちた不運な夢だけにすがって生き続け、短く哀れな人生に耐え忍んでいる。だが、狡猾さ、才能、または無情な幸運によって昇進し、スケイヴン社会の階段を登り詰める運の良い者もいる。

その下位の氏族たちは、自身の専門分野と極意でスケイヴン社会を支配している、エシン氏族の暗殺者、スクリール氏族の無謀なるエンジニア、モウルダー氏族の猛獣飼育者と猛獣使い、あるいはペスティレンス氏族のプレーグプリースト、これらの大氏族のいずれかに属している。彼らが戦争へ出向く時は大抵、交渉や賄賂、あるいは脅迫が彼らに行われた場合である。また、その際には、それぞれ異なる性質の者たちが共通の目的を持つ仲間を見つけ、とりあえず手を組み参戦するのである。

甲高い声で指令を出す策動的なスケイヴンはそれぞれ、自身が真の支配者であり、勝利を導く者であると当然のごとく思っている。また、そう思えない場合であっても、歪み石の短剣を巧みに操れば、間違いなくそうなれると考えているのだ。

戦闘特性

己の短い命を何よりも大切にする不屈の臆病者スケイヴンは、戦術的撤退の技術に精通しているため、この戦士たちは「捉え難き素早さ」で戦場から撤退する。

「ヴァーミンドゥームの傷跡」——スケイヴンの“荒廃の都”による〈定命の諸領域〉への悲惨な侵害——として、現実界に新たな傷を負わせると、敵を圧倒するべく、スケイヴンの群れを真新しい齧り穴から戦場へ送り込むことが可能だ。最大3つの齧り穴を戦場に設置することができる。また、「潜伏する大鼠波」の一部として、悪賢いクロウロードは、戦闘開始時にスケイヴンの戦士を数人配置することができ、その上「齧り穴からの奇襲」で、その戦士たちを突撃範囲へと送り出すことが可能である。

最後に、陰謀的思考を持つあらゆるスケイヴンは、敵の「常に三歩先へ」行くことができるため、敵軍側のヒーローフェイズにて、スケイヴンの位置を変更することができる。

戦闘陣形

モウルダー大氏族は「肉体融合動物園」に新たな恐るべきラットオゴウルを捧げた。これらの「優れた造形物」は、歪み石によって強化されており、近接能力の強化、加護(5+)を持つ強靭な体躯、あるいは自滅をも厭わぬ力を発揮する怒りを知る。

スケイヴンの戦闘陣形では、それぞれの大氏族であるペスティレンス、スクリール、ヴァーミヌスの特徴が表現されている。それは致命的な試作品武器を専門に扱うことであったり、大地そのものを腐敗させることであったり、そしてクランラットやストームヴァーミン、その他のクロウホードのユニットを強化することであったりする。

魔力と呪文

一世代に一度——といってもスケイヴンの場合はわずが数年だが——諸領域に充満する天空のエネルギーを利用することができる、特別な鼠人が生まれるのだ。その落ち着きのない魔術師は、不安定な歪み石の破片の力を用いて、痛烈な呪文を放つ上、渦巻く「歪みの雷渦」を召喚することもできる。

これらの渦巻く歪みのエネルギーの塊は、敵ユニットの動きを阻害し、エメラルド色の電光で敵を焼き、致命的なダメージを与えるのだ。

ユニット紹介

スケイヴンの群れの大部分を占めるのは、致命的な鼠人だが、彼らは、〈大いなる角戴きし鼠〉にしか従うことのない強力なディーモンであるヴァーミンロードに率いられ、戦場に向かうことがある。その獣皮の生物たちの中でも最強の個体は、“害獣の王”スクリーチである。かつて神の殺害を企てた、十三匹評議会の形態の生まれ変わりと言われる存在だ。

この魔力の融合体は、敵を一瞥するだけでその歩兵を弱らせることができる「並々ならぬ怪物」である。スクリーチ「十三の頭を持つもの」として、バトル中に一回限り使用できるアビリティを幾つも持っており、13mv以内に一部でも入っている大氏族のユニットを鼓舞できる。

スケイヴンの集団に欠けている筋肉、武勇、生粋の乱暴さは、ラットオゴウルが大いに補っている。彼らのモウルダー大氏族のパックマスターは、ラットオゴウルという変異体を生成するだけにとどまらず、彼らの中の特に有望な者にワープファイア武器を移植することもした。

この暴力的なコンビネーションのおかげで、「近接射撃」のアビリティで敵に緑色の灼熱の爆風を浴びせながら「歪みの激怒の解放」でラットオゴウルの群れを定期的に狂乱へと駆り立てることができる。

大半のスケイヴンは、遠くから敵と交戦する方がはるかに安全だと考える。というのも、その大半のスケイヴンは、スクリール氏族の戦争兵器の故障による被害には見舞われたことがないのだ。味方の死傷者を出す確率が高くても、あるいは肉体が焦げる危険性があるとしても、ウォーロックの技術者やクロウロードによる「モッと、モッと歪みの稲妻を!」の要求で使うワープライトニング・キャノンは代物である。

【体力】と【防御力】を持つ陣営地形、齧り穴が現れると、敵軍側はスケイヴンの波に圧倒されるのを恐れ、すぐにでも降参したくなるだろう。運の良いことに、君の戦闘特性では、その陣営地形を戦場に何度も戻すことができるぞ。

齧り穴は、戦場の奥深くに予備軍を配置するための結節点として機能するだけでなく、味方の部隊である「終わりなき大鼠波」を補充することができ、さらに「現実のとばりを貫くトンネル」でより狡猾な騙しを行うことができる。

スタジオから一言

「彼らの野心的な陰謀が功を奏し、すべての〈定命の諸領域〉に容易に侵入できるようになったという〈滅びの蠱禍〉(ヴァーミンドゥーム)の物語に合わせて、戦場での齧り穴の戦い方を変更した。各戦闘の開始時に3つの齧り穴を設置するのではなく、「ヴァーミンドゥームの傷跡」の戦闘特性のおかげで、齧り穴が戦闘中絶えず戦場に設置できるようになったんだ。」

大氏族のさまざまな専門家のユニットから選んでアーミーを編成することができ、独自の計画を展開する機会がたくさん持てる。戦闘陣形と組み合わせることで、主要な氏族の一つに焦点を当てたスケイヴンのアーミーを構築することも、〈大いなる角戴きし鼠〉の栄誉のため、諸領域を踏み躙るといった一つの目的に向かって、多様な信念を持つ鼠たちを団結させた寄せ集めの軍団を作ることもできる。

スピアヘッドの紹介

ストームキャスト・エターナルのように、既存の『歪み電気火花の爪群れ(ワープスパーク・クロウパック)』と新版の『齧り宴の爪群れ(ナールフフィースト・クロウパック)』の異なる2つのスケイヴンの完全スピアヘッドから選ぶことができる。

新版のスピアヘッドでは、齧り穴の不足に困ることはない。なぜなら「潜伏する大鼠波」「齧り穴からの奇襲」が、狭いスピアヘッドのボード上でより重要な、ポジショナルプレイをできる機会を多く与えてくれるため、現実界の裂け目を齧って、そこから君の軍勢を送り込むことができるからだ。

すべてを連携させる者、それは巻き角を持つ珍しき魔術使いのスケイヴン、グレイシーアだ。〈大いなる角戴きし鼠〉の意志を体現する彼は、最も臆病な氏族でさえも勇敢な戦士へと変えることができる——ほんの一瞬の間だけだが——さらに、「萎れ病」で敵の力を吸い取ることもできるのだ。

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