ウォーハンマー:エイジ・オヴ・シグマーの歴史 — 獣の時代と朝びらきの征戦

ウォーハンマー:エイジ・オヴ・シグマーが幕を開けてからの数年間、〈定命の諸領域〉では、秩序と渾沌の大同盟との間で戦いが繰り広げられその後死の大同盟の勢力が高まる中、神々が互いに競い合った

そして今、アラリエールの生命の儀式によって、八大領域は強力な生命のエネルギーで覆われている。宇宙が制御不能な力によって震撼する中、ガウルはその中心点となっていた。


エイジ・オヴ・シグマー第3版には、ずっとあとになってから明らかになる秘密裏に起こった出来事などが存在するため、その物語は複雑だ。今回の記事では、わかりやすいように、できる限り時系列に沿って解説していくぞ。さあ、〈獣の時代〉に足を踏み入れよう!

クラグノスはエクセルシスを包囲しようと企んでいたが、駆けつけたモラスィと大司教クロォクの欺きにより、彼は都市からガウルの陰鬱な沼地へと移され、この計画は中断された。怒りに震えたクラグノスは新たな挑戦者を求めて突撃するが、その蹄の音により、クルールボゥイが持つ戦いへの欲望が呼び覚まされる。より隠密に行動するこのオールクたちは、ゴブスプラックの指揮のもと、地震の神の轟く突撃によって破壊された集落を襲撃し始めた。

ルールボゥイは、〈定命の諸領域〉の都市や集落にとって大きな脅威となった。シグマーは、ドゥアーディンの神グルングニが発明した、輝く新たな雷霆の鎧(サンダーストライク・アーマー)を身にまとったストームキャスト・エターナルを派遣し、彼らとの戦いに臨んだ。クラグノスが、かつてドラコニスをほぼ絶滅させた種族の最後の生き残りであったこともあり、クロンディスとカラザイに率いられたドラコニスは、シグマーに対する忠誠心を改めたのであった。

ストームキャスト・エターナルにとっては、すべてが順調に進んでいたわけでななかった。再鍛の欠陥を修復することは不可能なのではないかと疑ったイオナス・クリプトボーンが、ハンマー・オヴ・シグマーを去ったのである。シグマーの祝福のもと、クリプトボーンはドラコニスのクトラックと協力して、最初の〈寂滅の塔〉を建造した。この塔は、何年もの間、ひた隠しにされることとなった。

獣の時代

ゴルドラックが狡猾な手段で神獣ファンガスラクを捕らえ、破壊の大同盟に初めての大勝利がもたらされる。ゴルドラックのアイアンジョウたちは、ファンガスラクの口をこじ開け、その腹に存在する弧の街道(アークウェイ)からエイトポイントへの侵攻を仕掛けられるようになった。この残忍な策略により、“ゴルクの拳骨”はエクセルシスでの敗北後、汚名を返上できたのである。

〈獣の領域〉の別の場所では、シグマー信徒である探検家アノリオ・ヴェン・タラクスが、はるか昔に密林に墜落したセラフォンの寺院船“チョーテクの目”が眠る場所を発見した。そのエンジンの環境操作能力は、獣のように野蛮なこの密林をさらに恐ろしい“唸りの森”へと変貌させていた。今や“餓えたる廃墟”として知られるこの地は、宝を求める者たちを魅了する場であり、あらゆる領域から戦士団が集まってくるようになった。

ガウル攻勢の一環として、筆頭狩人インドラスタはオーリック・ライオンとアストラル・テンプラーを率いてクロンドの背骨連峰に突入し、新たに現れたガウルの具現体の一つを狩ろうと試みる。一行はオールクと獣人(ビーストマン)の連合軍に不意を突かれたものの、インドラスタはクロンドスパイン具現体を討伐し、ビュレイシャーマンによる支配権の奪取を阻止した。だがその前に、インドラスタたちはこれらの原初の魔法の秘密をグレイトフレイに漏らしていた。シャモンでは、スケイヴンの歪み石を動力とする飛行船がテンペスト・アイの都市に爆撃を行い、地上では鼠人が都市の防衛軍と戦いを繰り広げていた。

闇の計画

“角ありし鼠”が“永劫に選ばれし者”アーケィオンと秘密の同盟を結び、スケイヴンは卑劣な計画を実行に移す。その計画とは、領域中の結節点を歪み石で汚染し、領域の構造そのものを弱体化させるというものであった。スケイヴンのこの動きは、〈獣の時代〉に行われた大虐殺によって明るみに出ることはなかった。一方他の場所では、新たな英雄である筆頭元帥ターリア・ヴェドラが台頭する。彼女は、のちにフリーギルドの軍事教義である城塞防(キャステライト)陣となる、斬新な軍事行動を実行した。

死の大同盟へのささやかな報復として、アーケィオンはヴァランガードを率いてシャイシュを襲撃する。彼は、“終末の城砦”(アークス・テルミヌス)を破壊し、カタクロスに屈辱を与えたのであった。この頃、ヴァランガードのアタラスはアーケィオンへの信頼を失い、〈呪われし空〉でエターナスとして生まれ変わることをベ=ラコールに密かに懇願した。ヴァランガードの第八軍団の多くもこれに倣い、終末の大元帥の陣営内で反乱が勃発した。

アキュシーの忘れられた洞窟の奥深くで、ラブル・ラウザ・ブラギットという名の狡猾なグロットが、トラグを長い眠りから目覚めさせた。このトロゴスの王は金剛石の鎖を突破して、ファイアスレイヤーの溶岩砦を破壊し、鈍重なトロッグの群れを集結させた。さらに、ナーグルの悪辣なるハービンジャー・オヴ・ディケイが姿を現し、“慄きの患い”と呼ばれる謎の病が諸領域中を襲った。ハンマーハル・アキュシャでこの病の蔓延を調査していたキャリスとトールは、汚染された“王の血”の積荷をこの時初めて発見した。

グンナー・ブランドとスノウピークのダークオースが地脈を穢しはじめたことにより、人知れずスケイヴンの陰謀が進展することとなった。アラリエールとロッティガスは、グューランで“雨の闘争”を始め、この領域に大洪水を巻き起こす。ハンマーハル・アキュシャでは、事態が悪化の一途を辿っていた。キャリスとトールが発見した決定的な証拠に基づき、ターリア・ヴェドラがクーデターを企み、ハンマーハルの大評議会で重要な位置を占めていた四人を反逆罪で殺害したのであった。バスティアン・カルサロスが正義を執行するために派遣され、ターリアは自身が嫌悪する政治体制に身を投じざるを得なくなった。

朝びらきの征戦の開始

“焦界の獅子”を指揮官として、双尾の彗星の征戦軍がハンマーハル・アキュシャとグューランから進軍した。この征戦軍の目的は、〈渾沌の時代〉に失われた土地と集落を奪還することである。ターリアは当初、アキュシャの征戦軍を前線から率いていたが、ゴアタイドがハンマーハルを包囲したため、彼女は城壁の防衛に復帰せざるを得なくなった。代わりに大神官ゼネストラが指揮を執り、“大いなる車輪”の教団が勢力を拡大し始めた。

その後間もなく、この征戦軍はトルースブレイクの防衛に立ち上がり、トラグと同盟を結んだグルームスパイト・ギットの連合軍を阻止しようと試みる。ファイアスレイヤーのバエル=グリムニルと征戦軍の後衛による勇敢な防衛によって、残りの者たちは脱出に成功した。トロゴスは(彼らなりに)猛烈な追跡を続けた。

スカブラス・スプロールにおいて、キング・ブロッドはメガ・ガルガントを率いてガルドゥス要塞を攻撃し、壊滅を試みる。この試みが成功するかどうかは、タスクボス・ホーンスプリッタとゾグロック・アンヴィルスマッシャの登場にかかっていた。この者たちは獰猛なアイアンジョウズであり、オールク軍に強大さと野蛮な怒りをもたらしてくれるのだ。双尾の彗星の征戦軍は多くの難民を救助したが、ガルダス・スティールソウルがブロッドに倒され、最終的に嵐の城塞は陥落した。

グューランにいる征戦軍は、クラグノスの指揮下にあるオゴウルとクルールボゥイとの戦いに巻き込まれた。征戦軍の運命は決まったかのように見えたが、ちょうどその時、“クルノスの第一の棘”ベルサノス率いるドラコニスと、常緑の狩猟団の連合軍が到着する。クラグノスとオゴウルたちは、徘徊するセラフォンが棲むバニヤン湾へと追いやられ、ゴブスプラックはクルールボゥイを率いて草木が生い茂る荒野へと去っていった。

拡散する狂気と燃えゆく都市

オシアーク・ボーンリーパーの障壁を突破した征戦軍は、アストレイア・ソルブライトとそのシマーソウルたちと合流する。彼らの目的地は、盛夏の新宮の本拠地である首地峡と呼ばれる山脈であった。ウショーランから慈悲深い招待状が届き、人間、屍食鬼、そしてヌラーミアの吸血鬼たちが肩を並べるという緊迫した饗宴が始まった。狂気さからなのか狡猾さからなのかは定かではなかったが、この出来事によりウショーラン暗殺計画が阻止された。ウショーランはアストレイアを殺害し、ネフェラタの陰謀を企む手下たちを宮廷から追い払い、“王の血”の流通権を取り戻すことに成功した。この戦いでフレッシュイーター・コートが優勢に立ち、かれらは再び諸領域を恐怖に陥れるべく進撃し始めた。

大神官ゼネストラは、古代都市エンバーガルドの跡地であり、かつて“大いなる車輪”の教団の拠点であったアキュシーのアシェンモントに到着した。かれらは、この地を拠点とするネクロマンサーらを一掃し、新たな基盤を築き始める。エンバーガルドは今やアキュシーにおける重要な防衛拠点の一つとなり、その鉱山に豊富に眠る貴重な熾火石は、都市の主要な輸出品となった。

キャリスとトールの調査により、ハンマーハル・アキュシャの下水網には穢れた“王の血”が大量に流れていたこと、そして人喰いの宮廷が間近に潜んでいたことが判明した。この状況を打破したのは、ドーター・オヴ・カインのクレトゥサとクロウンヘラルドだ。彼女たちは、モラスィを非難し、長らく忘れ去られていたアエルフの女神モライ=ヘグを崇めることを選んだ者たちである。

その頃、双尾の彗星の征戦軍はグューランのギルナラド台地からヘドナイトの大群を一掃し、ヴェルディグリスの都市の基盤を築いた。この新たな都市には、“永劫に選ばれし者”の槍アブラクシアが最初の脅威としてやってくる。彼女は剣闘場から昇格し、アーケィオンの最も信頼できる部下の一人として、ヴァランガードの名誉ある集団、〈渾沌の剣〉の元帥となった。ヴェルディグリスへの攻撃は、ベルサノスと彼の常緑の狩猟団の到着によってはねのけられた。さらに、アブラクシアが呪われた食屍鬼の血を誤って摂取したことで事態は悪化する。

新たな獲物を求めたアブラクシアは、フェニキウムに狙いを定め、闇の儀式を執り行い、上空から都市への攻撃を開始した。この策略はフェニックスガードとルミネス・レルムロードによって予見されていたが、その予言の力でさえ、“永劫に選ばれし者”の槍があらわにした憤怒には敵わなかった。確実に勝利を手に入れるため、アブラクシアはウル=フェニックスの化身をむさぼり食い、人喰らいの呪いを浄化した。エラニアとエラソールは聖なる炎の最後の残り火を持ち去り、逃走する。

〈滅びの蠱禍〉(ヴァーミンドゥーム

グンナー・ブランドはついに、〈大いなる角持つ鼠〉が誓約戦士たちに仕掛けた罠を暴く。召集された精鋭の戦団が、チャクリックの愚行に位置する歪み石の鋳造所に潜入するが、“害獣の王”スクリーチが現れ、かれらの目論みは失敗に終わる。計画の最後のピースが揃ったことで、スケイヴンは巨大なワープドリルを起動させた。これは、宇宙の均衡を保ってきた、今や汚染されし結節点を利用して、〈定命の諸領域〉を宇宙の秩序から逸脱させ、壊滅的な被害をもたらす機械であった。

〈滅びの蠱禍〉の影響は八大領域中に及んだが、最も大きな被害を受けたのは大焦界だった。荒廃の都が壊滅的な爆発によって現実界を打ち砕いたのである。その結果生じた穢れは、大地を〈大齧り〉(ノー)と呼ばれる歪んだ悪夢へと変貌させた。他の場所でも同様の穢れが発生し、〈呪われし地〉と呼ばれる汚染地帯が生み出された。この惨事を受けて、〈禍つ神々〉が攻撃を開始し、終わりなきスケイヴンの群れがその攻撃を率いることとなった。

この大惨事の直前、コルゴス・クールは“金剛石の鎖”のふもとでガヴリエル・シュアハートの戦士たちに猛攻を仕掛け、ヴァンドゥス・ハンマーハンドを最後の決闘へと誘っていた。これに応じてハンマーハンドたちが到着するが、クールはかつての敵の衰弱ぶりに愕然とし、コーンの栄光を汚すことを恐れて決闘を拒否する。それでも、戦いへの渇望と、昇格に必要な頭蓋骨をあと一つ必要としていたクールと彼の軍勢は、ガブリエルを倒し、〈滅びの蠱禍〉が戦場を揺るがすまさにその瞬間に、ディーモンへと昇格した。

ターリア・ヴェドラは廃墟となったエンバーガルドを目撃する。狂乱した生存者たちが破壊された街をよろめきながら歩いていたが、大神官ゼネストラの姿はどこにも見当たらなかった。しかし、都市の地下の鉱山には貴重な熾火石がまだ豊富に埋まっている——敵からこの熾火石を守らねばならない。

〈定命の諸領域〉が第二の渾沌の時代の危機に瀕し、〈大いなる角持つ鼠〉の計画が完了したところで、舞台は現行版ウォーハンマー:エイジ・オヴ・シグマーへと移るのであった……。

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