ウォーハンマー:エイジ・オヴ・シグマーの歴史 — 魂魄戦争と砕かれし諸領域

ウォーハンマー:エイジ・オヴ・シグマーの幕開けから3年間、神王がストームキャスト・エターナルを〈定命の諸領域〉に派遣し、渾沌から諸領域を取り戻すべく戦いを繰り広げてきた。その戦闘に加わろうと、古き味方と新たな勢力が集結していたのだが、その裏で密かに活動していた者がいた——ナガッシュだ。彼は漆黒の大ピラミッドを建造し、死後の魂をすべて支配するという計画を練っていたのである。

しかし、狡猾なスケイヴンの一群により、ナガッシュの神聖な儀式が穢され、その壮大な計画は水の泡となった。漆黒の大ピラミッドが沈んだことでシャイシュの地に穴が開き、“シャイシュの天底”と呼ばれる飢餓の空間が作り出され、諸領域全体に死の妖術が流れ込んだ。この出来事は、破壊的な“死霊震”と呼ばれる。こうして、ウォーハンマー:エイジ・オヴ・シグマーの第二章が幕を開けた。

魂魄戦争(ソウルウォーズ)の勃発

ストームキャスト・エターナルが事実上不滅であるのは、倒れた戦士の魂をシグマーが〈昇化の金床〉で幾度となく再鍛しているからである。しかしナガッシュは、ヘルデンハンマーによって自身に帰属する魂が盗まれたと信じ込んだ。こうして魂魄戦争が勃発したのである。この戦争は死そのものとの戦いであった。そこで優勢に立つべく、ナガッシュが〈定命の諸領域〉に解き放ったのは、悲嘆の御使レディ・オリンダーが指揮を務める苦悩に満ちた亡霊の群れ、ナイトホーントであった。ストームキャスト・エターナルが再鍛の致命的な欠点に気がつき、その解決法を探求する旅を開始したのもこの時だ。

死霊震のあと、諸領域中に存在する長く封印されていた〈嵐の宝物殿〉が次々と開かれ、隠されていた神器が解放された。これらを手に入れようと多くの者が互いに争いあい、さらにはエネルギーの波が魔法の均衡を乱した上、嵐や顕現が諸領域中を荒らし回った。“大魔術の時代”(アルカヌム・オプティマール)と呼ばれているこの時代には、永久呪文として知られる強力な魔術も出現した。それにはいくつか危険な呪文も存在していたが、永久呪文すべてが極めて強力なものであったため、これらを制御することが非常に重要であった。

その頃、暗く陰鬱な洞窟の中で、臆病なグルームスパイト・ギットが再び邪月の狂気的な光の影響を受けていた。愚王スクラグロットの旗の下、グロット、スクイッグ、トロゴスの群れが結集する。奮い立ったこれらの邪悪な戦士たちは、ギッツの暴走する神と交信できると言い張るこの狂気の君主に率られ、戦いへと赴いた。

死と渾沌の衝突

魂魄戦争は続く。レディ・オリンダーがセレスタント・プライムを殺害し、宵闇の墳墓に囚われていた“死都の御使”カタクロスを解放したことで、シグマーはナガッシュから致命的な打撃を受ける。カタクロスはナガッシザールに戻り再び改造を受けた。また、懲罰的な骨税が再び課せられるようになった。カタクロスとオシアーク・ボーンリーパーはオッシアの国に進軍し、シャイスのさらに多くの地域をナガッシュの死の支配下に置いたのであった。

アーケィオンのゴーントサモナーたちは、ついにスラーネッシュが囚われていたウルガイシュを見つける。そして、異例の慈悲の行為として、“永劫に選ばれし者”はその神を縛る鎖の一つを解いたのである。しかし、この昏き貴公子を完全に解放する前に、アーケィオンは災いの幻視に導かれ、エイトポイントへと戻っていった。

まさに同じ頃、カタクロスとレディ・オリンダーが、シャイシュに位置するエンドゲートを介してエイトポイントに奇襲侵攻を仕掛けた。アーケィオンの力が勝り、カタクロスは“王殺しの剣”によって倒される。しかし、御使は自身の死を、“永劫に選ばれし者”の真価を測るための代償として考えていた。この頃、ベ=ラコールの存在が明らかになる。彼はレディ・オリンダーを破り、彼女の霊体をシャイシュへと送り返したのであった。これは、ベ=ラコールがアーケィオンを支持した数少ない場面の一つである。

スラーネッシュ、高慢なアエルフ、隠された計画

スラーネッシュの拘束が次第に弱まる中、この放埓の神の信奉者たちは、抑えがたい逸楽の祭典として諸領域中を行進した。比類ない快楽を求めるこの勢力は、己の神が去った後の権力の座を埋めることを望む者たちと、スラーネッシュを必死に探そうとする忠実な信奉者たちとの間で分裂した。

渾沌と死、二つの脅威が迫る中、大賢者テクリスが自身のルミネス・レルムロードたちを率いてハイシュから出陣する。かれらの使命は、大魔術の時代(アルカヌム・オプティマール)に混乱に陥った土地を鎮めること。この軍勢は大きな成功を収めるが、過度の成功を好む者はいない。かれらの傲慢さは、味方から多くの非難を招いたのであった。

アーケィオンはナガッシュの軍勢を破った後、〈大冊を貪る者〉と呼ばれるゴーントサモナーに、エイトポイントからヴァラナイトの採掘を監督するよう命じた。極めて強力で絶え間ない変化を生じるこの領域石は、高温に熱せられた血のように泡を立てる石である。この領域石の鉱脈が、“ヴァランサックスの大顎”の中で発見された。アーケィオンはこれを用いて、アズィルに続く“弧の街道”を突破し、シグマーの頭蓋骨を手に入れるという計画を立てた。エイトポイントで栄光と評価を求めて戦う多くの戦団が、この危険な任務に召集される。エイトポイントに潜んでいたモラスィのスパイがこの情報を彼女に報告し、モラスィは密かに利己的な計画を練った。一方、ロード・オヴ・ペインは、長年隠されていた、ウルガイシュにあるスラーネッシュの監獄への通路を発見したのであった。

裏切り

モラスィは迅速に己の計画を実行に移し、シグマーにアーケィオンがアズィルの門にやってくるだろうと告げる。神王はモラスィと共にストームキャスト・エターナルの使節団をエイトポイントに派遣した。渾沌の軍勢と戦う中、モラスィは“ヴァランサックスの大顎”から発見されたヴァラナイトの大部分を、転移門を通じて自身の神殿都市ハグ・ナールに密かに送った。しかし、事態はさらに悪化の一途を辿る。モラスィが秘密裏にオカリアン・ランタン(スラーネッシュの腹部から魂を引き出すために〈神々の時代〉に使用された神器)を盗んだことを知った至高王ヴォルターノスが、その神器を奪還しようと、イドネス・ディープキンの大軍を率いてハグ・ナールを襲撃したのである。

この新たな戦いが激化する中、モラスィはスラーネッシュの腹部から、かつて死したアエルフの王たちの魂を盗み出す。ヴァラナイトの巨大な釜から与えられた力をこれらの魂と組み合わせたモラスィは、神格へと昇華した。ただし、この過程は彼女を二分し、嘲笑うモラスィ=カインと怪物的な影の女王が一度に同時に現れるようになったのである。また彼女は、イドネス・ディープキンの怒りを鎮めるため、スラーネッシュから盗んだキサイの魂とオカリアン・ランタンをかれらに贈った。しかし、モラスィが実行した利己的な儀式は、昏き貴公子の拘束がさらに弱まるという不運な結果をもたらし、スラーネッシュは自身の本質の一部を諸領域に投影できるようになった。これがのちに、怪物じみた悪魔の双子、シネッサとデクセッサを生み出したのである。

モラスィ=カインは新たな同盟者と共に裏切り行為を続け、アンヴィルガルドで反乱を率いた。そこに住まう人類の住民を数千人殺害し、都市をハー・クーロンと改名したのである。あと一歩のところで帰還したセレスタント・プライムにより戦闘は停止したが、休戦のあと、影の女王は行方不明となった。

光と闇の戦い

死の領域で、テクリスはルミネスを率いてオシアークの帝国への侵攻を指揮した。その一方で、御使たるマンフレッドとネフェラタ、アーカンはそれぞれ、重要な境界門を破壊して、“シャイシュの天底”の影響力を拡大するため、グューラン、シャモン、ハイシュに派遣される。しかし、かれらは全員この任務に失敗し、ナガッシュの不満を招くはめになった。死の勢力の敗北はこれだけではない。呪われた都市ウルフェンカーンでは、ヴァーコス朝のラドゥカールが、思わぬ英雄戦団によって打倒された。しかし彼は獣の姿で逃亡を果たし、崩壊する都市の下に死の魔法の穴を開けようと試みるのであった。

テクリスの屈辱的な攻撃に耐え切れず、絶えず復讐心に駆られているナガッシュは、オシアーク・ボーンリーパーの大軍を率いてアヴァルノール山への攻撃を命じ、ハイシュに小規模な天底を引き起こそうとした。アラリスとフラカンの教団が反撃の軍勢を率いる一方、ナガッシュとテクリスは山の上で真に壮絶な戦いを繰り広げた。セトラーズ・ゲインの都市から遅れて到着した支援部隊によって戦局は逆転し、ナガッシュの肉体は破壊され、その魂はシャイシュへと送り返された。

〈呪われし空〉

アルマンド・キャリスとハンニヴァー・トールは、シグマー信徒の都市、エクセルシスで秘術教団の存在に気がつくが、貴族地区の大部分が破壊されるのを防ぐには遅すぎた。都市の残骸は、ナイト・エクセルシオールによって隔離された。理由は定命の者には理解できないが、大司教クロォクはセラフォンの一団を率いてエイトポイントに赴き、〈大冊を貪る者〉の銀の塔を破壊してティーンチに決定的な打撃を与えた。その破壊はシャモンのラステッドウェイストに破滅をもたらしたが、それは〈大いなる計画〉の許容範囲内のことであった。

長い年月を影で活動してきたベ=ラコールは、ドロラムへの攻撃を指揮し、レディ・オリンダーを説得してシグマーに対抗する同盟を結ぶ。かれらはシグマライト・ブラザーフッドを激しい攻撃で殲滅し、ストームホストの魂がアズィルに戻ろうとした瞬間、ベ=ラコールが創造した〈呪われし空〉に飲み込まれてしまった。この勢いを利用し、“暗闇の君主”はヴィンディカルムの攻撃を指揮し、ガルドゥス・スティールソウルと剣を交えるが、ドゥアーディンの神グルングニが介入したことで退却を余儀なくされる。もちろん、偽りの姿で。

勢力間の力関係は最も不安定な状態となったが、アラリエールは好機を掴み、太古の楢の下で儀式を執り行い、腐敗を清めた。その結果、渦巻く生命のエネルギーの波が〈定命の諸領域〉を覆った。アラリエールの精霊の歌は、新たに誕生したウォーソング・レヴェナントたちによって各地に伝えられ、死霊震の最後の痕跡をかき消した。しかしこれで均衡が保たれたわけではない。過剰な生命の魔法によりガウルは荒れ狂い、分裂した。この激しい激変で双角山が裂かれ、太古の時代からの存在、“文明に終焉をもたらす者”クラグノスが解放されたのであった。

“文明に終焉をもたらす者”

戦意を抱える獰猛な神クラグノスが新たな敵を探そうと、〈獣の領域〉を暴れ回る。彼の強大な蹄の音が破壊の軍勢に届き、メガ・ガルガント、ゴルドラック、スクラグロットを惹きつけた。戦いを終わらせる機会だと考えたゴルドラックは、クラグノスに体当たりで攻撃を仕掛け、打倒されかけるが、間一髪で邪月の力を利用したスクラグロットが介入し、地震の神の“戦慄のメイス”を食い止めたのであった。これによってそれぞれの上下関係が確立され、メガ・ガルガント、ゴルドラック、スクラグロットの三者は大規模な〈いくさだァァァア!〉を結成し、エクセルシスめがけて軍を進めた。

最後の決死の抵抗で、ナイト・エクセルシオールとアストラル・テンプラーのストームキャスト・エターナルが、大規模な〈いくさだァァァア!〉とクラグノスの攻撃に耐え抜こうと試みる。オールク、グロット、メガ・ガルガントの絶え間ない波に押しつぶされ、都市の陥落は避けられないと思われたが、突如現れたモラスィ=カインとその随行者たち、そして大司教クロォクによって防衛軍は救われたのであった。それぞれが手を差し伸べたのには、不可解な目的があったからなのだが……。モラスィ=カインと大司教クロォクは、“文明に終焉をもたらす者”を欺き、クラグノスの民の宿敵であるドラコニスの幻影を召喚した。そして、クラグノスをエクセルシスから遠く離れたガウルの湿地帯の奥深くに転移させた。

求心力のある指導者がいないことで、〈いくさだァァァア!〉は崩壊し、秩序の勢力に平穏が訪れる。しかし、落ち着いている余裕はない。“生命の儀式”がガウルを原始的な怒りで震わせており、獣の時代が迫っているのだ……。

後日、この事実が〈定命の諸領域〉にどのような影響をもたらしたのかを詳しくお伝えしよう。お楽しみに!

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