滅びの戦記 — 憎悪の誓約

先週末から、新しいバトルトーム、ソーサラー・ロード、そしてスピアヘッドが予約受付開始となったことに伴い、スレイヴ・トゥ・ダークネスは〈定命の諸領域〉中で荒れ狂う態勢が整っている。この予約受付を祝して、かれらの暗黒神に多くの生贄が捧げられるようだ…。

ヴェルディアに晴れ渡った空が広がった朝、“髑髏蛇”——スカルサーペントの部族は壊滅した。

過ぎ去りし日々の虐殺によって、部族はその数を大いに減じていた。ウルカンはそうした犠牲者の大半がシグマー信徒の銃火によってもたらされたことを目にしてきた。顔馴染みの多くを——鼻欠けのケヘグ、マロッグ、斧のセンハ、双子のドゥルグたちを——失って久しかったが、その衝撃は今も拭い切れぬままであった。

 

女族長ヴァーシャは、部族を滅ぼしたあらゆる災禍の中をどうにか生き延びてきたが、今もまさに、その新たな災禍に対峙していた。彼女は己が盾に斧を打ち付け、谷の奥から迫りつつある赤装束の敵兵の一団に向かって、威嚇と呪いの言葉を叫んだ。兵士たちは、まるで血気盛んに仁王立ちした熊のごとき大型兵器の足元に群がっていた。

平時であれば、“髑髏蛇”がこのような大軍に正面から立ち向かうことはなかったであろう。だが、鈍重な輸送隊を待ち伏せして狙う時代は過去のものとなっていた。敵は皆、赤変樹(カーネイター・ウッド)の根元に散らばった死体や、土にしみ込んだ血を吸った屍蔓(コープスヴァイン)が、まるでヒルのようにみるみる膨れ上がるのを見て笑っていた。

最初の勝利の瞬間は遠い夢と消えた。まず森の外縁部を失った。そして熱水の泉と「祭壇の道」を失った。今、彼らに残されたのは背後の山だけであり、その反対側である前方には、砲撃で荒れ果てた大地のみが広がっていた。城塞都市の住民は何千という戦死者を出そうとも、一年と経たぬうちに、その死者の倍近い兵を送り込んでくることができた。都市に棲まう者どもは、この土地とその豊かな泉とを求めていた。しかもそれらを、いかなる犠牲を払ってでも手に入れようとしていたのだ。

「ビ=ラル、奴らの目を奪え!」族長ヴァーシャは叫んだ。「ガルク殿、奴らの肉を焼き、骨を潰してくだされ! 八芒の神に誓って——シグマーの犬どもの血を啜りて我死なん!」

ウルカンは、自分の肩に置かれた手に気づき、振り返った。レゲスの笑顔があった。彼女の顔の左半分はひどい火傷を受け、ぬらぬらと火照っており、眼球の失われた眼窩からは血が滴り落ちていた。その痛みは尋常なものであるはずがなかったが、この大柄な戦士が意に介している様子はなかった。

「さて、ここからだね」彼女は言った。「あの蛆虫どもをいくらか道連れにして死ぬ用意はいいかい、おちびさん?」

「今日じゃない」彼は答えた。「俺は、“煙羅の見張り手”に誓った。答えをもらったんだ、レゲス。俺の魂は奪われるが、必ず復讐を果たすんだと」

レゲスはため息を吐いた。「もう奴らの勝ちだ。奴らは私らを灰になるまで焼くだろうよ。奴らはその仕上げに来たんだ。我らが先祖の骨の上に根城を築くつもりなのさ。“黄金の希望”——ゴールドホープなんてご大層な名前までつけてね」

「俺を見ろ」ウルカンは言った。そして彼女の頭の両側に力一杯手を押し当てると、己が頭の中で脈打つ血の流れを感じつつ、言葉を発した。「神々の御前にて我誓わん。我、必ずや敵の砦が焼け落ちるさまを見届けん」

その窮地のさなかに口にしたのは、虚しくも儚い、馬鹿げてさえいた言葉であった。彼を“殺戮者”と呼ぶにはまだ早過ぎた。彼は、誓いの石を五つかそこらしか携えておらぬ、取るに足らぬ若造でしかなかったのだ。だが、誓いの言葉を口にした彼が彼女の目を見た時、彼女が彼の誓いを信じたことがわかった。

けたたましい金属音の轟きとともに、最初の砲撃がやってきた。二人の左側では、斧使いのスケルが鮮血の噴水と無数の骨の破片となって消えた。さらに別の戦士たちがもう二人、先程まであったはずの両足の根元を押さえながら倒れた。

「突撃!」族長が叫んだ。“髑髏蛇”の戦士たちは、口々に鬨の声を上げながら、緩い斜面を猛然と駆け下りつつ、己を狙う銃座が並ぶ敵の戦列へと迫った。さらに砲弾が降り注ぎ、部族の戦士たちは次々に吹き飛ばされていった。何発かの砲弾は着弾と同時に真っ赤な炎を上げ、間近に踏み込んだ戦士たちを燃え上がらせた。あと五十歩と迫った位置でマスケット銃の列が火を吹き、先陣を切って突っ込んだ戦士たちが一斉に撃ち抜かれ、ばたばたと倒れ込んだ。その音は不自然に鈍く柔らかく、誰もが地に伏す前にとうに絶命していたことを示していた。

「臆病者のシグマーに死を!」“髑髏蛇”たちの反撃を告げる雄叫びはしかし、シグマー信徒の戦列が放つ二度目の一斉射撃でかき消された。黒と赤に染め抜かれた装束の兵士たちが陣取る位置まで迫れたのは、最前の戦士たちの三分の一にも満たなかった。

続いて起こった血みどろの白兵戦では、少なくとも“髑髏蛇”が優位に立った。誓約の力と尽きせぬ憤怒をみなぎらせた戦士たちは、斧を敵の首に打ち込み、胴を切り裂いて臓腑を飛びちらせ、必死に受け止めようと掲げられた武器を打ち砕いてのけた。ウルカンは“煙羅の見張り手”の名を唱えながら敵を屠り続けたが、至るところで立ち上らせた血煙りの中に、哄笑する鳥めいた顔の神の姿が——彼をさらに駆り立てる神の姿を見たように思った。女族長ヴァーシャは、無惨に左腕を切り落とされ、全身を血で赤く染めながらも、彼女の間合いから逃れようとしていた男の頭を、狂ったように吠え猛りつつ盾の縁で叩き潰していた。レゲスは敵の生首と思しき肉塊を振り回しつつ、言葉にならぬ叫びを上げていた。城塞都市の兵たちは銃を投げ捨て、算を乱して逃げ出し始めた。流血に酔い痴れた“髑髏蛇”は勝利を叫び、その後を追った。

だが、まさにその時を待って、谷間に設置されていたあらゆる銃砲が追いすがろうとする敵に狙いを定めていたのであった。

追撃する戦士たちを、死の嵐が呑み込んだ。鉛玉の集中砲火を浴びた肉体は木っ端微塵に吹き飛び、辺り一面に炎と硝煙、そして血生臭い空気が満ちた。ウルカンは己の肘が弾丸で砕けるのを、ついで右耳がもぎ取られるのを感じた。彼は膝を屈し、地面に突っ伏した。それが奇しくも幸いし、同胞を全滅させた砲撃の中、彼だけが生きながらえることができたのであった。

大地が揺らいだ。敵の機械砦(コグフォート)が、何百もの長銃が吐き出す煙の中から出現した。戦場にそびえ立つその姿はまるで、神話の時代に大地を闊歩した巨人を思わせた。機械砦はわずかに前進すると動きを止め、いくつもの巨大な歯車が軋みを上げて回転する音を轟かせると、やがて所定の砲座に砲身が先端を覗かせた。そして砲門から煙を引いて何発もの砲弾が飛び出し、弧を描きつつ次々に大地に叩きつけられた。着弾するたびに大爆発が起き、戦場を炎が覆った。ウルカンはその高熱で皮膚が焼け爛れるのを感じたが、それも束の間、続いて押し寄せた凄まじい衝撃波で数メートル後方に弾き飛ばされた。彼は、悪臭を放つ、氷のように冷たい水の満ちた砲撃痕の中に投じられた。その衝撃に、彼は意識を失いかけた。彼は汚れた水の下に沈み、淀んだ水面を透かしてさらに生じた無数の火球を目にし、砲撃の着弾で大地が揺れるのを感じた。泥の塊をつかんで己が体を押し出し、痛む肺でどうにか呼吸を続けようとしたが、吐き気が込み上げた。

何かが砲撃痕に飛び込んできた。それは勢いよく彼の上から降ってきて、浮かびかけた彼を再び水中に沈めた。血糊と泥とで水中が濁る中、砲弾の破片が真っ直ぐ額に突き刺さり、引き裂かれて半分になった、レゲスの死んだ顔を見つめていた。怒りと悲しみに駆られたウルカンは声を上げようとしたが、肺に水が入り込み、刺すような痛みに襲われた。同胞の死体の下から抜け出ようとしたが、四肢から力が抜けてゆくのを感じた。

闇がすべてを覆い尽くす中、彼は死を覚悟した。来世でいかなる運命が彼を待ち受けていようとも、それを受け入れるつもりでいた。だがその時、彼は心の中にささやく声をはっきりと聴いた。その声は——彼が最期を迎えるその時まで、日々をともにすることとなるのであった。

六十年の歳月が流れた。

不浄なる魔炎によって、祝福された礎石をまるで水のようにあっさりと溶かされた最外壁は、その全体を構成するあらゆる石ごと削り取られるかのような凄まじい轟音とともに、あっけなく崩落した。もうもうと立ち昇る灰と煙とがあたり一面を覆い、ゴールドホープを焼く炎の照り返しによって空は不気味に赤く染まった。こじ開けられた突破口に殺到した守備隊は、煤まみれの軍曹の怒号に従って防衛線を張った。

「シグマーの戦士たちよ」騎兵隊の将軍、オルヴィス・ケイドが戦列の背後を騎乗したまま闊歩し、兵士たちを鼓舞した。「ここは貴様らの家だ! 貴様らの祖父母が、血と汗を流してこの聖域を築いたのだ。我らが祖は、〈禍つ神々〉を崇める外道どもからこの地を奪い取り、熱き信仰によって浄化したのだ。シグマーの兵士たちよ、貴様らの遺産は何だ? この街が落ちるのを黙って見ていることか? それともここに踏み込もうとする外道どもを皆殺しにすることか?」

あらゆる兵士が、腹の底から大声を出してケイドの言葉に応えた。その雄叫びにはまだまだ気力がみなぎっていた。瓦礫の積もる崩落部分に最初の影がぬっと現れたとき、兵士たちの士気は限界まで試されることとなった。

最初に姿を現したのは、痘痕(あばた)だらけで縦横に無数の傷跡が走る、灰色の肉の壁——両手で崩れ落ちた石塊を抱え上げた、一つ目の巨大な怪物であった。一斉射撃の波を喰らった怪物は、血と骨の飛沫を放ちながら、まだどうにか張り付いていた顎の一部から苦悶の咆哮を上げ、よろめきながら手にした石塊を兵士たちに投げつけた。フリーギルド部隊の兵士たちは密集隊形を取っていた。この投擲を回避できた者は少なかった。悲鳴が上がり、鉄兜隊の一人が兜ごと頭を潰され、別の二人が全身の骨を砕かれた。いくつか上がっていた悲鳴が不意に途絶えた。

ケイド将軍は己が騎馬を前進させ、歩兵の隊列の隙間に馬ともども身をねじ込ませると、馬の横腹にくくりつけてあったホルスターから騎兵用ピストルを引き抜き、一つ目の怪物に狙いを定めた。彼は引き金を引いた。その一発は怪物のこめかみに着弾すると、赤い煙を立ち上らせた。怪物はもんどりうって倒れ伏した。すでに死んだか、さもなければ間もなく死ぬはずであった。

さらに多数の人影が続いた。広い肩幅の、巨躯の持ち主たる戦士たち——ケイドの口を苦渋で満たし、意識を苛む邪悪な紋章を刻んだ、鋼の甲冑に身を包む戦士たちであった。あらゆる方向から銃弾が放たれ、敵の繰り出したこの重装甲の楔に襲いかかった。何人かを倒れたものの、それよりもはるかに大勢の者たちが、哄笑とともに射撃を凌ぎ、一層勢いよく鉄兜隊の隊列に突撃していた。シグマーの兵士たちは容赦なく餌食にされていた。ケイドは毒づいた。敵をここで食い止めておけるか否かが、勝負の分かれ目となることは間違いなかった。

「騎兵、続け!」叫んだ彼を先頭に、精鋭たる騎士たちが楔陣形を整えた。鎧と馬とで構成された、鋭き槍の穂先であった。騎士たちは群がる渾沌崇拝者の側面に突撃し、鎚矛を振り下ろし、大剣で斬りつけ、戦闘用に調教された軍馬たちの蹄で蛮族の戦士たちを踏みにじり、泥まみれの大地へ押し潰した。その突撃は多くの敵兵を屠ったが、敵の密度はあまりに高く、初動の勢いはすぐに衰えてしまった。そこに繰り出されたのは、ルーンを刻んだ凶々しい刃の嵐であった。騎士たちは腹を串刺しにされ、まとめて貫かれ、無骨な籠手で無造作につかまれるがまま馬上から引きずり下ろされ、虐殺された。

ケイドは兵士たちに戦い続けることを命じていた。彼は声が枯れるまで叫び続けた。剣戟の衝突する激しい刃音と射撃の轟音にもかき消されぬ大音声で兵たちを鼓舞した。流血を代償に、敵の進撃は辛くも阻まれていた。指揮官たるケイドの獅子奮迅の姿を目にしたシグマー信徒の男女は、恐怖を克服し、勇気を抱いた。今日、勝利は再び近づいたかに思われた。その時、ケイドの目には、己を目指して迫りつつある巨大な爬虫類めいた怪物の姿が映っていた。その背には精巧な黄金の角を飾った、戦将と呼ぶに相応しい意匠と威厳を湛えた兜姿の騎手がいた。ケイドはこの敵を出し抜こうと馬を操ったが、敵勢はさらに激しく距離を詰めてきており、戦線は混乱をきわめていた。彼の騎馬は多数の深手を負い、血を流していた。

眼前の敵が、斧で無造作に彼の剣を払い除け、彼の肩にその刃先を打ち込んだ。濡れた音、硬い音が重なり、骨が砕け散った。目も眩むほどの苦痛で思わず手綱を握る手から力が抜け、ケイドは、鞍から滑り落ちた。冷たく湿った地面にぶつかる瞬間、腕が引きちぎれるのがわかった。

どれくらいの時間そこに横たわり、痛みに悶え苦しんでいたのか、彼には見当もつかなかった。両手両足は切断されており、耐え難い頭痛は、落下した衝撃で頭骨にひびが入ったことをうかがわせた。それでも、荒々しい戦士や興奮した軍馬によって踏み殺されてはいなかったことを訝しむ余地はあった。結局、戦いは決していた。ゴールドホープの守り手たちは、指揮官が倒れたのを目の当たりにし、廃墟の奥へと逃げ出していた。絶叫と哄笑が至るところから聞こえた。ケイドはただ目を閉じ、耳に入る阿鼻叫喚の不協和音に耐え続けた。

「シグマーのひよっこにしては、よき戦いぶりであった。大胆に攻めたものだな」

ケイドは目を開け、まさに自分を打ちのめした戦将の、あの特徴的な兜をつけた顔を見上げた。爬虫類めいた巨獣にまたがった彼は、二十名近くの近衛をともなっていた。いずれも全身に返り血と肉片を浴びたままの、戦装束の巨漢たちであった。

戦将が巨獣の脇腹に蹴りを入れると、巨獣は前方に進み、横たわった騎兵隊の指揮官を見下ろした。巨獣はひどい悪臭の涎を滴らせていた。糸を引いてケイドの胸当てに落ちた涎は、たちまち金属を侵食し、いく筋もの傷痕を刻んだ。巨獣の口は、真っ黒な牙の列で満たされていた。牙のそこかしこにへばりついた腐肉からも、耐え難い悪臭が放たれていた。

「我らを皆殺しにするがいい」ケイドは声を喘がせた。「だが、ここは我らの領土だ。神王のしろしめす領域だ。貴様らの神など、この地の支配者ではない」

戦将はしばらくの間、黙ってケイドを見下ろしていたが、やがて笑い声を上げた。この笑いは彼の率いる近衛たちにはいささかも広がらなかった。彼らは冷酷な眼差しのまま、侮蔑の念を露わにしていた。

「お前たちの領土か」ややあって、戦将は繰り返した。「人間の記憶力など、哀れなほど儚きものよ。たった二世代で、神と崇められる臆病者の吹いた嘘が、まるで真実のごとくに鳴り響くとは」

ケイドの顔のすぐそばで、巨獣が顎を鳴らした。ケイドは恐怖に縮み上がった。腐肉と、饐(す)えた胆汁めいた悪臭に吐き気を覚えた。渾沌の戦将は、巨獣の背の鞍から地面に飛び降りた。甲冑がけたたましい金属音を上げた。戦将は鋭く息を吐いて巨獣に待機を命じた。巨獣はそれ以上近寄ってはこなかったが、飢えた眼差しを血まみれのケイドに注ぎ続けていた。戦将はケイドの脇にひざまづくと、おもむろに兜を脱いだ。白髪混じりの無精髭に覆われた顔が現れた。その両眼は明るく澄んでおり、知性的ですらあったが、左眼は、同じこめかみから突き出した角のせいで引き攣れたように歪み、同じく引っ張られて伸びた皮膚のおかげで顔全体の左側が嘲笑を浮かべた仮面のようであった。それ以外の点では、戦将の顔はまったく正常に、戦将自身も正気に見えた。そのことに、ケイドはひどく驚いていた。

「この地は断じてお前たちのものではなかった」戦将は言った。「ここは“髑髏蛇”の縄張りだった。お前たちの兵器と軍勢がやってきて、火と弾丸で部族を一掃した日まではな」

「だから何だ?」ケイドは吐き捨てた。「我らが、それに恥入るとでも思ったか? 奴らは殺して奪うのみの、渾沌を崇拝する者どもの同類に過ぎん。俺は辺境で何度も戦った。貴様らの同類が何をしでかすか、この目で見てきたんだ。仲間は生きながら皮を剥がれ、居留民は皆殺しにされ、あらゆる財は奪い取られた。俺たちは貴様ら全員を焼き殺しておくべきだった」

戦将の唇が歪んだ。それはもしかしたら、微笑を浮かべたのかもしれなかった。

「だが、お前たちは失敗した」彼は言った。「実のところ、今あるこの儂を作り出したのは、お前たちの同族だ。それには感謝している。あの日こそは、儂が真なる力へと至る道の端に立った、祝福の日であった。“髑髏蛇”の部族のウルカンは、目もろくに利かぬ、理解も望めぬ世界の闇の中でよろめき歩くだけの、愚か者に過ぎなかったがゆえ、な」

彼は、ケイドの顔に息がかかりそうなほど近くまで身を屈めた。ケイドが彼の灰色の両眼を覗き込んだ時、彼の両眼の背後におぞましき炎の影が見え、その照り返しに浮かび上がった、彼らが作り出してきた恐怖の光景が垣間見えたのであった。穏やかな物腰ではあったが、この男は狂っていた。それに気づいたケイドは恐怖に駆られた。それは全身の痛みを忘れるほどであった。

「今や、儂の眼は開かれた」かつてウルカンであった男は、そう囁いた。「そして儂は、誓いを果たすためにここへ来たのだ」

彼は立ち上がり、再び兜をかぶった。

「連れてゆけ」彼は戦士たちに命じた。「砦が焼け落ちる時に、この愚か者も一緒に焼いてくれよう」

〈滅びの刻〉の間、渾沌の勢いは明らかに増している! スレイヴ・トゥ・ダークネスの軍勢は、新しいバトルトーム、ウォースクロール・カード、ダイス、その他の装備品とともに、販売予約受付中だ。

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