一万年前、スペースマリーンの兵団は、人類の失われた領域を取り戻すため、銀河への道を切り開いた。彼らを率いていたのは皇帝の遺伝子を持つ総主長たち。これらの総主長の中でこの上なく気位が高かったのが、当時“不死鳥”として知られていたフルグリムであった。堕落した存在によって人類最精鋭の戦士の半数が渾沌の魔手に誘い込まれたとき、フルグリムの戦士たちは暗黒神スラーネッシュに仕えることを誓い、自らの快楽主義を嬉々として受け入れたのである。
この戦士たちこそがエンペラーズ・チルドレンだ。超人的な彼らは、あらゆる快楽を追求する。ある者は戦場を制覇することを求め、またある者は自身や獲物が極限の感覚を得られる術を新たに練り上げる——暗黒神の献身的な下僕にしか抱けないような悪意をもって。この超人的な快楽主義者の軍団を編成したいと考えているのなら、この記事を読んで必要な情報をチェックしよう。
エンペラーズ・チルドレンの歴史には、他のケイオス・スペースマリーンと似通っている点が多くある。異端のスペースマリーンが自身の主に反旗を翻し、〈ホルスの大逆〉が始まったとき、いち早く渾沌の贈り物を受け入れたのがエンペラーズ・チルドレンであった。これは、肉体の強さと驚異的な俊敏さを有していた彼らが、完璧な戦士という自身の理想像に近づいたゆえに起こったことである。
フルグリムの子らは、高められた感覚によって放埒に浸る日々を送れていたが、過度な逸楽によりその感覚もすぐに鈍くなっていった。そして、感情的、肉体的な刺激をより味わいたいという欲求が異常なまでに高まったのである。かつて栄華を誇った兵団が恍惚感の欲求に蝕まれるまで、そう時間はかからなかった。
自身の感覚をさらに刺激しようと、エンペラーズ・チルドレンの間では、醜悪な改造を施した身体的変異が広がっていった。彼らは、本来口のあった場所に狂気の音波発生装置を埋め込み、腕や手などの四肢に代わって邪悪で歪んだ武器を取り付けたのである。エンペラーズ・チルドレンにとって、これらの改造は、自身が切望する体験を得るための小さな犠牲でしかなかった。
総主長フルグリムはディーモンに昇格し、四本の腕を持つ蛇のような新たな姿を手に入れた。彼は今、獲物を捕獲しようと戦場を闊歩し、最強の英雄を探し出しては戦いに挑んでいる。大抵の場合、その四本の腕に装備した武器を駆使して、一度に複数の英雄を相手にするのだ。だが、大逆時代末期以降、彼は銀河の表舞台にほとんど姿を現さなくなり、完璧と放埒を求めて〈歪み〉にとどまるようになった。
しかし、そのすべての状況は一変した。弱体化した〈帝国〉に決定的な一撃を与えようと、エンペラーズ・チルドレンが再び現実空間で勢力を増し始めたのだ——暴力に溢れた、止めようのない潮流のように。エンペラーズ・チルドレンの戦闘集団は自身の能力にこの上ない自信を持っているが、困難な状況に陥ったときには、ためらうことなく彼方から助けを呼び寄せるだろう。
エンペラーズ・チルドレンはしばしば、スラーネッシュのディーモンを戦いに召喚する。殺戮の中で戯れるディーモンらの不気味な外見は、見る者すべてを恐怖に陥れるほどだ。俊敏なシーカーや恐ろしいフィーンドが支援するなか、デモネットやキーパー・オヴ・シークレットが主力部隊に先行して敵に突進し、蟹のような鉤爪で獲物を切り刻んでいく。
卓上において、エンペラーズ・チルドレンは敵との距離を縮め、接近戦を繰り広げることを得意とする軍勢である。非常に多くの強襲歩兵部隊と、彼らを援護する秀でた遠距離火力が特徴だ。エンペラーズ・チルドレンの基本的な歩兵部隊は、平均的なスペースマリーンよりも白兵戦に優れている。また、敵の精鋭兵に向かって突き進むフロウレス・ブレイドや、金鎚となる味方ユニットが敵を粉砕するまでの間、その攻撃を鉄床のごとく受け止めターミネイターも、この軍勢の特筆すべき点だ。
闘争心溢れる総主長(プライマーク)を誇れる陣営は数少ないが、期待を裏切らないのがフルグリムである。その絶大な接近戦の力と恐るべき存在感は、君のホビーコレクションの中で輝くセンターピースとなるだろう。フルグリムは美しいだけでなく、その力も凄まじい。彼の特殊なアビリティによって、君のバトルプランをその場で柔軟に変更することができるぞ。
脆弱ではあるが光のごとき速さを誇るディーモン、そして精鋭の異端戦闘者が混在するエンペラーズ・チルドレンは、習得しがいのある陣営だ。彼らの派手な見た目の裏には膨大な打撃力が隠されている。戦場にプライマークを配置できるチャンスがあるだけでも価値があると言えるだろう——数少ないプレイヤーにしかできない経験なのだから!
初心者にも経験者にも最適なコンバットパトロールは、スピーディかつ絶妙なバランスを兼ね揃えた小規模戦闘ゲームだ。エンペラーズ・チルドレンのコンバットパトロールには強烈な打撃を与える歩兵が編入されており、接近戦を素早く繰り広げることに重点が置かれている。彼らの研ぎ澄まされた決闘術を発揮できるぞ。
コンバットパトロールのアーミー“酷薄なる刃”を率いるのは、ロード・カフラエルだ。強力なロード・エグザルタントである彼は、接近戦であらゆる敵を切り刻むことができると言っても過言ではない。彼に随行するのは、10体のインフラクターからなる大規模分隊。機動装甲服を身にまとったこの前線部隊は決闘用サーベルを装備しており、敵の指揮官を追い詰め、決闘で切り刻むことを得意とする。
この中核的役割を担う崇高な歩兵の両脇を固めるのは、3体のフロウレス・ブレイドからなる2個のユニットだ。“喜悦の刃”を自在に操る彼らは、巧みな白兵戦による虐殺を得意とし、敵の精鋭ユニットに対して完璧な対抗戦力となる。敵に打ち勝つためにさらなる力が必要になったときは、外野から戦況を伺っているディーモンの庇護者から、〈歪み〉の力を借りることができるぞ。
“酷薄なる刃”を配置するのに必要なものは、ダイス数個と定規、そして以下のダウンロード可能なルールだけ。ゲームのプレイ方法についてはコアルールを、すぐにプレイ可能なバランス重視のアーミーについてはコンバットパトロール・データシートを、スリル溢れる作戦目標についてはコンバットパトロール・ミッションをチェックしよう!
エンペラーズ・チルドレンには、通常ピンク色と紫色が使用される。だが彼らは快楽を表現する達人。君が思いつく限りの色でペイントするのもいいだろう。鮮やかで目を惹く色であればあるほどすばらしい! 彼らは日常的に、激しい対照色や頭痛をもたらすほど派手な模様、奇妙な動物の柄を特徴とする装いに身を包む。彼らの機動装甲服は、君の突飛な芸術的アイデアを満たす素晴らしいコレクションとなるだろう。
滑らかな装甲や伸縮性のある革、波打つ皮膚、流れるような兜飾りなど、エンペラーズ・チルドレンの兵士たちは全員、多種多様な質感や素材からなる装飾品を身につけている。この陣営ほど、幅広いペイント体験を楽しめるミニチュアはないだろう。エンペラーズ・チルドレンは、ペイント経験のない人であっても、最もやりがいが持てるホビープロジェクトの一つである。
すべてのユニットに対応できるシンプルで簡単な配色を使って、君のミニチュアをすぐに戦場に送り出せるよう、ウォーハンマー40,000のペイントチームが塗料のリストを作成した。ボックスアートに使われる代表的な配色を使って、君のミニチュアを仕上げてみよう。
このリストに絶対従わなければいけないというわけではない。君が持っているあらゆる塗料を使って、奇妙で素晴らしい装飾を加えるのも、フルグリムの子らにはぴったりだ。考えるのはあとにして、まずは塗ってみよう——それがエンペラーズ・チルドレンのやり方だ!
コンバットパトロールのゲームの経験を積み、君のアーミーを前哨襲撃部隊から惑星征服を試みる快楽主義の大軍へと進歩させる準備ができたら、次のステップを考えよう。
まずは『コデックス:エンペラーズ・チルドレン』をチェックしよう。陣営の必携書で、豊かな背景情報に加え、豪華なペイントが施されたミニチュアのショウケース、22個のユニットのルールとさまざまなプレイ方法が収録されている。『ウォーハンマー40,000 コアブック』と合わせれば、ウォーハンマー40,000のフルサイズのゲームを始めるのに必要なルールがすべて揃うことになるぞ。
さまざまな場で活躍できる中核的部隊のコンバットパトロールを築いたら、遠距離火力を追加して君の突撃部隊を支援しよう。ノイズマリーンは、おそらくエンペラーズ・チルドレンのユニットの中で最も悪名高いユニットだ。この戦士たちは、強力な音波兵器を用いて戦場の至るところから敵の骨を砕き、臓器を破裂させる。彼らが繰り出す恐ろしい和音は、ロード・カコフォニストの指揮のもとでさらに致命的なものとなる。
インフラクターが突撃するなか、トーメンターの分隊がボルトガンを構えて敵を吹き飛ばす——自負心に突き動かされ、犠牲となる命の数を競うかのように稼いでいくのだ。どちらのユニットのパーツも同じボックスに収録されているため、好きな方を選んで組み立てよう。また、追加の武器や付属品も豊富に用意されているぞ。
とはいえ、総魔長がいなければ、エンペラーズ・チルドレンの戦闘集団は成立しない。この陣営を統率するフルグリムは、最強のモンスター* にすら挑むことのできる全能の近接戦闘術と、プライマークでなければ得られない絶大な耐久力を持っており、まさに完璧なミニチュアと言える。
この兵団に所属する者たち全員は、生まれながらにして完璧主義だ。その思想は根深く、兵団に不相応な者が淘汰されれば、真に優秀な指揮官が生み出される。その中でもルシウスは誰もが認める主であり、彼の容赦ない猛攻に立ち向かえる決闘者は数少ない。伝説的存在であるキーパー・オヴ・シークレットのシャラクシィ・ヘルベインなど、君の異端のスペースマリーンとともに進軍しようするディーモンの大群も控えているぞ。
* 彼自身が最強のモンスターだと言う人もいるだろう……。
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