スペースマリーンは、〈帝国〉の一般市民から畏怖の念と尊敬を抱かれており、その全員が神帝の天使を体現している。この神聖なる種族の中でも、名誉ある功業において傑出した者たちがいる。それは、煌びやかな黄金と深紅を纏う、帝国途絶領域(インペリウム・ニヒルス)の清らかなる救世主たちだ。だが、かれらの血に陰険で残忍な呪いが流れていることは、ごく少数の者しか知らない。
この戦団こそが、“大いなる天使”サングィニウスの血を引くブラッドエンジェルだ。歴史上、そして現代における戦士たちにも、この一行の正義ゆえの獰猛さにはかなわない。
血に染まった、この超人兵士の軍団を編成したいと考えているのなら、この記事を読んで必要な情報をチェックしよう。
ブラッドエンジェルは、専用のキャラクターや分隊、そして通常のスペースマリーンのユニットから編成された独特な戦団だ。ブラッドエンジェルのジェネラルに利用可能な主要オプションを理解するには、『スペースマリーンのアーミーを始める君へ』を読むことをおすすめする。
屈強な戦士らから成るブラッドエンジェルは、太古の科学技術と謎多き遺伝技術によって強化され、定命の者から人類の能力の限界を超えて活動できる半神として生まれ変わった。かれらは、神聖なる〈第一期創設〉の一員であり、〈ホルスの大逆〉で皇帝の傍で戦った総主長たちの血統を直接受け継いでいる。
総主長たちの出身星は、〈大亀裂〉によって地球(テラ)から孤立した、〈帝国〉の片側に存在する惑星バアルである。千年紀の変わり目には、その惑星でディーモンとティラニッドによって大きな被害を受けていた。〈バアルの荒廃〉として知られている大規模変動では、群巣艦隊リヴァイアサンの触手によりかれらの故郷の星がほとんど破壊されてしまった。これを阻止するべく26の全後継戦団——ブラッドエンジェルに遺伝的血統を持つ者たち——が召集されたが、過去数千年で唯一最も多くのスペースマリーンの命が犠牲となった。
〈揺るがざる征戦〉の介入により星系の完全破壊は免れた。そのおかげで、サングィニウスの子らは星を再建させ、荒廃した〈帝国〉の片側から敵を追い払うべく、星中に再び従軍することができた。
他の多くのスペースマリーン戦団とは異なり、ブラッドエンジェルは武技とほぼ同等に技能も重んじている。だが、外面的な気高さや名誉とは打って変わって、〈傷〉として知られている残忍な呪いにより苦しめられているのだ。〈傷〉は2つの意味で脅威となっている。というのも、あらゆるブラッドエンジェルたちは、その〈傷〉である〈紅き飢え(レッドサースト)〉と〈黒き怒り(ブラックレイジ)〉と呼ばれる苦悶に耐えることが極めて困難なのである。
ブラッドエンジェルは、消息を絶った総主長と特に強固な紐帯を有している。サングィニウスの経験はこの戦団の遺伝種子に強く刻み込まれており、その中でも特に強固に刻まれているのが、大逆者ホルスとサングィニウスの一騎打ちの記憶である。この一騎打ちの最中、彼は、自身の魂の大部分を傷つけた悲痛なる一撃に見舞われることになった。それゆえにサングィニウスの末裔は41千世紀の今もなお、魂を通じてこの出来事を追体験し続けている。
〈黒き怒り〉は、ブラッドエンジェルの破滅を意味する。すべてを飲み込むこの怒りに屈した戦士は、己が誰であるのか、そして己が何処にいるのかを忘却し、あたかも自分は〈ホルスの大逆〉のおぞましい戦いに再び身を投じ、最期の時を迎える直前のサングィニウスであるという感覚に囚われてしまう。戦闘前に〈黒き怒り〉に呑み込まれた同胞はデスカンパニーに配属され、総主長の名の下に最後の戦いに備えるのだ。
一方〈紅き飢え〉は、あらゆるブラッドエンジェルに一時的苦悩をもたらすが、それはかれらの魂の奥深くに染み付いているものであり、その心の中には破壊的衝動が潜んでいる。故に眠りから覚めている時は、常に血の渇望が沸き起こり、この衝動を思うがままに解き放つことに疼いている。だが、この衝動は抑制しなければならないのだ。
戦いの熱が高まるにつれ、かれらの〈紅き飢え〉も高まっていく。その衝動に屈することは恥辱の証であると見なされている一方で、最も困難な状況において、彼らはこの貪るような獰猛さに身を任せて初めて勝利を得られる場合も存在し得る。そのような場合、ブラッドエンジェル戦団はサングィナリー・プリーストが細心の注意を払った指導の下で、〈紅き飢え〉の衝動を武器として解き放つことを選択する。だが、これは彼らにとって最後の手段なのだ。
ブラッドエンジェルは多くのスペースマリーン戦団に比べ、近接戦闘を大いに重視している。サングィナリー・ガードとデスカンパニーは、特に銃撃戦よりも乱闘を好む。またそれらの部隊は、機敏なスペースマリーンのアーミーに部類しており、その多くのユニットがジャンプパックを装備しているため、素早く敵に接近することができるのだ。
上記の通り近接戦闘を好むブラッドエンジェルであるが、かれらは遠距離戦においても極めて危険な存在である。その上、大半のスペースマリーンと同じように、強力な戦闘車両や砲撃により敵の大多数を撃ち負かすこともできる。
初心者にも経験者にも最適なコンバットパトロールは、スピーディーかつ絶妙なバランスを兼ね揃えた小規模戦闘ゲームだ。ブラッドエンジェルは、強靭な歩兵の精鋭勢力を卓上に展開し、残忍な近接戦闘を繰り広げることに重点を置いている。
花形の役割を持つサングィナリー・ガードの煌めく同胞たちは、3人の機敏で強力な強襲兵が所属する2つのユニットから成る。かれらは戦場中を滑空し、敵の最高部隊を打倒する。この者たちによる奇襲に続いて、10人のアサルト・インターセッサーと1人のブラッドエンジェル・キャプテンが追い討ちをかける。
通常のスペースマリーン同様、ブラッドエンジェルはそれぞれのターンで「節目の誓い」を立て、己の怒りを特定の敵ユニットに向ける。それと同時に策略と強化で、移動力の増加と近距離戦を重視した作戦目標を活用すると、すぐに近接戦闘ができる状況に持っていきやすくなる。
鮮血の先鋒隊を配置するのに必要なものは、ダイス数個と定規、そして以下のダウンロード可能なルールだけ。ゲームのプレイ方法についてはコアルールを、すぐにプレイ可能なバランス重視のアーミーについてはコンバットパトロール・データシートを、スリル溢れる作戦目標についてはコンバットパトロール・ミッションをチェックしよう!
ブラッドエンジェルという名称からも想像できるように、本来かれらが見に纏う装甲の色は深紅色である。その色彩は、遠未来に存在する灰色の忌々しい都市の景観や暗黒に包まれた戦場や、精鋭部隊が纏う煌びやかな黄金の装甲——特にサングィナリー・ガード——とデスカンパニーの纏う薄暗い黒の装甲とも対照して際立つんだ。必要であれば、この3色の組み合わせを際立たせたい細部に幅広く使用することもできるぞ。
つまり、手元にある色でアーミーのほとんどを塗ることができるという訳だ。シタデルカラーの専門家がおすすめする以下の塗料リストを参照しよう。
ブラッドエンジェルは、このように比較的シンプルな色彩を持っているため、短時間で部隊の大多数をバトルレディ水準にまで仕上げることができる。鮮やかな黄金色を塗る時は、さらに上級の技術を身につける練習にもなり、ペイントの旅を始めるのにぴったりだ。
何度かコンバットパトロールのゲームをプレイし、41千年紀の雰囲気を味わったら、次のステップを考えよう。
まずは『コデックス・サプリメント:ブラッドエンジェル』をチェックするといい。まだであれば、『コデックス:スペースマリーン』のコピーも参照しよう。コデックス・サプリメントとして、ブラッドエンジェルの本には、追加の背景情報や15種類の特有なユニットのルールが収録されており、さらにスペースマリーンのあらゆるアーミーに適用可能な数十種類のミニチュアも付いてくる。
アーミーの中核は、主に『コデックス:スペースマリーン』のユニットで構成される。君の既存の部隊に何を追加するべきかについては、『スペースマリーンのアーミーを始める君へ』の記事を参照してみよう。
ブラッドエンジェルは特に伝説的英雄として知られているが、その中でもこのことを最もよく体現している者は、現在の戦団長(チャプターマスター)、司令官ダンテだ。彼は比類なき戦士かつ戦術家であり、ロブート・グィリマンによって帝国途絶領域摂政卿に任命されるほど大いに評価されている。司令官ダンテはブラッドエンジェルが目指すものすべて、すなわち、機敏性や、恐ろしさ、そして気高さを備えている。
サングィノールの全容は謎に包まれている。彼は、戦団の極めて差し迫った状況においてのみ戦場へと降臨し、敵である戦士らを打ち倒し、自身の煌めく死面を目にした者に希望を与える。一方、サングィナリー・プリーストは同胞を壮健に保つありふれた英雄でありながら、戦団の数多くの儀式を指揮している。
戦闘前に〈黒き怒り〉に屈し、デスカンパニーへと配属されたかつての名誉ある戦士たちは、巨大な破壊力を持つ狂暴な戦士と化する。敵の手足を引きちぎり、凄まじい傷を負いながらも戦闘を続けるほどだ。そんなかれらを止められるものは何もない。デスカンパニーは、機微が欠乏した、極めて任務を巧妙にこなすユニットである。敵は、血に発狂するこのスペースマリーンの部隊を単に無視することはできず、君のデスカンパニーの更なる精鋭部隊がしばしば相手を悩ますだろう。
ブラッドエンジェルで唯一、〈黒き怒り〉を真に克服した者がいる。それは、主席司書官メフィストンだ。彼は、並の司書官とは比べものにならないほどの異能の力(サイキックパワー)を持って復活した。その他大多数の運命は、戦闘時に朽ちるか、主席教戒官である“峻厳なる”アストラスの斧によって解放を祝福されるかのどちらかである。この者は、厳然にかつ効率的にその任務を実行するのだ。
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